Np-Urのデータ分析教室

オーブンソースデータなどWeb上から入手できるデータを用いて、RとPython両方使って分析した結果を書いていきます

【Shiny小技】グラフをダブルクリックすると情報が取得できる、dblclickOptsの紹介

Shiny Advent Calendar 2018の15日目の記事です。



本記事は、2018年6月に投稿したものを、アドベントカレンダー用に修正と追記を行ったものです。そして、Shiny100本ノック第26弾です。

Shinyにてグラフや画像を表示した際に、「細かくなって見づらい」ということがあるかと思います。
そんなときは「dblclickOpts」を利用して、グラフ中のデータ情報を取得できるようにしてみましょう。

最初に完成形を紹介

https://gyazo.com/fe59faabc869b66c680813fd483b2776

Gifにしてみたのですが、見えますでしょうか?
ダブルクリックすると、下に表示されている情報がそれに伴って更新されています。

この点の情報を詳しく知りたい、という際はとても便利な機能です。

ソースコード

イメージが沸いたところで、ソースコードを紹介していきます。

ui.R

library(shiny)

shinyUI(fluidPage(
  titlePanel("irisデータをプロット。ダブルクリックで情報取得。"),
  
  sidebarLayout(
    sidebarPanel(
      numericInput("x", label = h3("x軸(1~5でirisの列番号指定)"), 
                   value = "1"),
      numericInput("y", label = h3("y軸(1~5でirisの列番号指定)"), 
                   value = "2")
    ),
    
    mainPanel(
       plotOutput("plot",
                  dblclick = dblclickOpts(id = "plot_dbl_click")
                  ),
       verbatimTextOutput("plot_dbl_click_info")
    )
  )
))

今回は皆大好き、irisのデータを用います。
サイドバーのnumericInputにて、どの列を可視化するのか選択しています。

メインパネルにてグラフを表示する用のplotOutputと、その下にダブルクリックした箇所のデータ情報を表示するverbatimTextOutputを用意しています。

ポイントは、plotOutput内にて

dblclick = dblclickOpts(id = "plot_dbl_click")

とdblclickOptsを呼んでいる箇所です。

このオプションを付けることで、plot_dbl_clickというidにて、server側にダブルクリックした箇所の情報を渡すことができます。

とても簡単です。

server.R

ui側からplot_dbl_clickというidで情報が渡ってくるので、server.Rでは渡ってきた情報を元に処理を書いていきましょう。

library(shiny)

shinyServer(function(input, output) {
   
  output$plot <- renderPlot({
    plot(iris[, input$x], iris[, input$y])
  })
  
  output$plot_dbl_click_info <- renderPrint({
    cat("ダブルクリックした箇所の情報:\n")
    str(input$plot_dbl_click)
  })
})


以下の箇所にて、ダブルクリックされた箇所のデータを文字列として返しています。

output$plot_dbl_click_info <- renderPrint({
cat("ダブルクリックした箇所の情報:\n")
str(input$plot_dbl_click)
})

はいただこれだけです。やはり、Shinyはとても簡単ですね。

今回は、単純に「ダブルクリックされたのはこんな情報ですよー」とテキストで返しているだけですが、ダブルクリックされた点を元に別のグラフを更に表示したり、テーブル形式で表示したり、などなどできることは多くありそうです。

まとめ

今回はdblclickOptsというオプションを使って、グラフの情報を取得できる機能を追加してみました。

ダブルクリック以外にも、

  • マウスカーソルを合わせたときに処理をさせる → hoverOpts
  • クリックしたときに処理をさせる → clickOpts
  • ドラッグした範囲に対して処理をさせる → brushOpts

など同じように使えるものがあります。

brushOptsを使うと、グラフ上で特に見たい箇所をドラッグすることで、その部分を拡大するといったこともできます。

是非色々試してみてください。